12月8日(金)、浦河町立荻伏小学校を会場に、日高教育研究所・教職員研修センター研修講座(図工・美術)が行われました。日高管内造形教育研究会との共催による今年度の研修講座では、公開授業・研究協議・作品交流会が行われ、昨年の参加者を上回る13名の参加をいただきました。
また、今回も講師として、元北翔大学教育文化学部教授の山崎正明様をお招きし、研究協議や作品交流会において助言をいただきました。
【公開授業】
荻伏小学校4年生8名と担任の小路亜弥先生による「まどをのぞいて」という造形遊びの授業が行われました。
3つのグループごとに共同の作品を作っていました。
終始相談し合いながら作品の構想を考えるグループもあれば、作品づくりに没頭している姿や、溢れ出るアイディアを形に表そうと取り組む姿も見られました。
「終わらないからあと30分くらい作りたい!」という声が子どもたちから聞こえてきた時は、最後まで主体的に学習に取り組む子どもたちの意欲を象徴していると感じました。
授業後の研究協議の中で、山崎先生からは、
○製作中、教師は口出ししない。共感的な声かけが大切。
○子どもたちが主体的に学習に取り組む要素として、環境構成(例:窓の外を常に見ながら
作品を作る環境づくり、等)は重要である。
○作品を鑑賞する活動では、①作者に説明してもらう②作者に尋ねる という流れで進める
と良い。
タブレット端末を活用して、作品づくりの参考としてイラストを検索し、模写する姿も見られたが、イラストに気持ちが引っ張られすぎて、その子らしさが見えなくなってしまうこともあり得るので注意が必要である。
といったご助言がありました。
【作品交流会】
作品交流会では、参加者の先生方が児童生徒の作品を持ち寄り、みんなで鑑賞したり、山崎先生のお話を伺ったりしながら、作品の見方や実践のポイントを学習しました。
山崎先生からは、
○作品の見せ方はとても大事である。子どもに台紙の色を選んでもらい、作品をその台紙に
貼ることで、作品がぐんとかっこよくなる。
○同じ題材で複数枚描き、みんなが見えるように綺麗に並べておくと、鑑賞にもつながり、
制作の意欲が高まる。上手・下手を見るのではなく、発想を見せ合う。
○上手に描くことが目的になってしまうと図工嫌いになってしまう。
○一人一人の作品をよく見ると、その子が描いた作品の背景が想像できる。そうすると、絵
からその子の興味・関心が滲み出ていることに気づく。その子との対話が深まる。
○作品の解説やコンセプトを作品のラベルに書く活動を取り入れると、共感につなげられ
る。
といったご助言をいただきました。
公開授業から作品交流会まで、作品作りを楽しむ子どもたちの姿を直に見たり想像したりしながらみんなで語り合うことができた、素晴らしい研修会でした。
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