研究協力員の実践
今年度は、各町より小学校から4名、中学校より3名の研究協力員の先生方と仮説検証型で研究を進めてきた。昨年度に続き、単元評価基準表の作成と主体的に学習に取り組む態度を見取る実践の取り組みに加え、今年度からは、評価の在り方についても共通理解の基に研究を進めてきた。
主体的に学習に取り組む態度の見取りについては、「粘り強さ」「自己調整力」の観点を踏まえるだけではなく、獲得した「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」と結び付けた学習活動の重要性を共有した上で実践に取り組んでいただいた。
評価については、全ての時間に記録に残すのではなく「指導に生かす評価」と「記録に残す評価」を単元の中で意図的に配置し、確実な資質・能力の獲得に向け、授業改善、指導改善へと繋げながら単元を進める計画を作成していただいた。
以下に研究協力員の実践と研究発表大会での交流会の内容を踏まえ、研究仮説についての成果と課題を整理していく。
研究仮説についての成果と課題
協力員の実践まとめ・研究発表大会交流会から
【研究仮説】
(1)身につけた知識及び技能を活用・発揮する場面を単元構想の中で意図的に設定することで,単元間の資質・能力が構造化され「主体的・対話的で深い学び」を達成する授業改善が実現できるであろう。
(2)単元を見通した学習活動を計画することによって,主体的に学習に取り組む態度を適切に評価することができるだろう。
今年度の研究の成果から単元計画を単元の目標・評価規準とリンクさせてデザインしていくことの重要性を改めて実感するものとなった。特に、評価について正しく理解し、指導に生かす評価と記録に残す評価を意図的に配置していくことで、子どもたちの定着や躓きを把握し、指導改善に結びつけることが可能であるという気付きが生まれた。評価に追われる授業ではなく、学習内容や評価方法などを柔軟に考え、改善していくことへの重要性が感じられたものとなった。また主体的に学習に取り組む態度の見取りでは、昨年度からの継続もあり、理論の深まりが感じられた。特に「自己調整力」の視点では、自力解決や他者との対話場面の中で「なんのために活動するのか」とゴールイメージを持った子どもたちが必要感を感じながら学びに向かうような実践が多く見られた。
一方で、子どもたちに見通しを持たせる具体的な手立てについて、より多くの実践や検証が必要であると課題が残った。また、評価を子どもたちと共有する効果や実際の授業イメージについても今後も理論や実践を重ねて研究をしていく必要があると感じた。